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排卵しなかった卵が、次の周期に影響することも
妊活中の方や婦人科通院をされている方の中で、
「遺残卵胞(いざんらんほう)」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
このブログでは、
- 遺残卵胞とはどういう状態?
- どんな影響があるの?
- どうすればいいの?
ということについて、医学と中医学の両方の視点から、やさしく解説していきます。
「遺残卵胞」とは?
本来、卵胞(卵の袋)は毎月ひとつ育ち、排卵されるのが自然な流れです。
ところが、何らかの理由で排卵されずに、
次の周期にまで卵胞が残ってしまうことがあります。
この「排卵しなかったまま残った卵胞」のことを、遺残卵胞(いざんらんほう)と呼びます。
なぜ起こるの?
- 排卵しなかった(タイミングがずれた・誘発が効かなかった)
- 高温期がうまく作られなかった
- 黄体ホルモンの分泌が早まったり、弱かったりした
- 卵胞が途中で止まってしまった
など、ホルモンバランスの乱れや排卵リズムのズレが原因です。
医学的にはどう対応する?
遺残卵胞があると…
- 次の周期の卵胞発育に影響しやすく、卵がうまく育たないことがあります。
- ホルモンの値が乱れやすく、質のよい卵胞が選ばれにくくなることも。
医学的な対処法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| ホルモンチェック | 月経2〜3日目にP4やE2を測定し、リセットされているか確認 |
| ピルや黄体ホルモンでリセット | 人工的に生理を起こし、卵巣を一度お休みさせる |
| 自然消退を待つ | 時間とともに自然に吸収されるのを待つ場合もあります |
| 刺激周期の見送り | 遺残が強い場合は、次の採卵や治療を延期することもあります |
中医学(東洋医学)的な考え方
中医学では、遺残卵胞は「痰湿(たんしつ)」や「瘀血(おけつ)」のイメージに近く、
流れが滞り、不要なものがとどまってしまっている状態ととらえます。
また、「排卵がうまくいかなかった背景」には、次のような体質傾向が見られることもあります。
| 体質 | 特徴 | 対応の方向性 |
|---|---|---|
| 血虚タイプ | 血が不足していて卵が育ちにくい | 補血・温経・子宮を養うケア |
| 気滞タイプ | ストレスや緊張で流れが止まる | 肝気をめぐらせて排卵促進 |
| 痰湿タイプ | 冷え・むくみ・代謝低下がある | 胃腸ケア・水はけを整える |
| 瘀血タイプ | 血流が悪く、古い血や不要な物が残る | 活血・温め・巡りを良くする |
おすすめのセルフケアと養生
身体を「温めて」「動かす」ことが基本!
- 骨盤まわりの冷え対策(温灸・湯たんぽ・足湯など)
- 月経期にはお腹や仙骨をやさしく温めて、血の巡りを促す
- 食事では「温・補・巡(あたためて・補って・めぐらせる)」がキーワード
おすすめ食材・食事
| 食材 | 特徴 |
|---|---|
| 骨付き肉スープ | 血を補い、体を深部から温める万能薬膳スープ |
| なつめ・黒ごま・くこの実 | 補血・補腎に◎。女性の体の土台づくりに |
| 生姜・ねぎ・にんにく | 体を温め、巡りをサポート |
| 山芋・カボチャ | 胃腸にやさしく、気血の材料を補いやすい |
さいごに
遺残卵胞があると聞くと、
「またうまくいかなかったのかな…」と落ち込んでしまう方もいるかもしれません。
でも、これは身体がちゃんとサインを出してくれている証拠。
「ちょっと休んでね」「少し整えてから次に進もうね」と教えてくれているのかもしれません。
大切なのは、“見えないもの”に優しく目を向けながら、
自分の体を少しずつ整えていくこと。
当院では、病院での治療を大切にしながら、
その土台となる「体質・血流・冷え・気の流れ」を一緒に整えていきます。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。
