最近増えている「高プロラクチン」と「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」って?

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〜月経不順や不妊で悩む方へ〜

ここ数年、当院にも
「高プロラクチン血症」や「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」と診断された方が
以前より多くいらっしゃるように感じています。

もしかしたら、今このブログを読んでくださっている方の中にも、
「検査でホルモンが高いと言われた」
「卵が育ちにくいと言われた」
そんな経験をされた方がいるかもしれません。

今回は、最近よく耳にするこの2つの症状について、
なぜ増えているのか、そしてどんなケアができるのかをお伝えします。


高プロラクチン血症って?

プロラクチンは、もともと「母乳を出すためのホルモン」です。
授乳期の女性にとってはとても大切な働きをしますが、
妊娠していないときにこのホルモンが高い状態が続くと、
排卵がうまくいかない」「月経が乱れる」といったことが起こることがあります。

最近増えている理由は?

  • ストレスの多い毎日
  • 夜型の生活(スマホやパソコンの見すぎ)
  • 緊張や不安が抜けない状態

など、現代の生活の中で、
本来プロラクチンを抑えてくれるホルモン(ドパミン)の働きが落ちてしまうことが関係しています。


多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)って?

PCOSとは、卵巣の中でたくさんの卵胞(卵の袋)はできるのに、
その中から「これ!」という卵が選ばれて排卵するのがうまくいかない状態です。

生理がなかなか来なかったり、周期がバラバラだったり、
排卵のサインが出にくかったりすることがあります。

最近多くなっている理由は?

  • 甘いもの・脂っこいもの中心の食生活
  • 運動不足・血流の悪さ
  • 過度なダイエットややせ志向
  • ピルを早くから使っていた影響(場合によって)

など、身体にとって負担の大きい生活習慣が重なって、
卵巣の働きに影響していると考えられています。


鍼灸でできるサポートとは?

これらの症状は、治療が必要なケースもありますが、生活や体質を整えることもとても大切です。

鍼灸では、次のようなケアを行うことでサポートができます。

🌿 高プロラクチンの方には…

  • 首や肩のこりをほぐして、脳の緊張を和らげる
  • 夜ぐっすり眠れるよう、自律神経のバランスを整える
  • 呼吸を深めるケアや、ストレスを抱え込みにくい身体づくり

薬の服用で正常値まで下げることも求められます。

🌿 PCOSの方には…

  • 体質に合わせた温め(「やせ型」「冷え型」「むくみ型」など)
  • お腹や足のツボを使って、卵巣・子宮の血流を改善
  • 胃腸の調子を整え、代謝やホルモンの巡りをサポート

ご希望の方には、
「どんな食べ方が合っているか」や
「日常生活で気をつけたいこと」なども一緒にアドバイスしています。

不妊治療に対して鍼灸院でできること

うまく排卵できなかったり、
卵がなかなか育たなかったりと卵の質や排卵に不安の起きやすい疾患。
低温期や排卵期の集中した治療で卵の成長を助け、排卵に導きます。

その他体外受精や顕微授精では、たくさんの卵が育つ特徴がありますが、
採卵後に卵巣が腫れ(OHSS)やすいのもこのタイプ。

辛い副作用や、採卵後のお腹の腫れを鍼灸によって軽減し、
出来る限り健やかに過ごしましょう。


おわりに

ホルモンの不調や排卵のトラブルは、目に見えないからこそ不安になりますよね。
「検査の数値に一喜一憂してしまう」
「何をどうすればいいかわからない」
そんな声もよく聞かれます。

でも、どんな状態にも“背景”があります。
身体が「ちょっと疲れてるよ」「がんばりすぎてるよ」と教えてくれているのかもしれません。

私たちは、治療だけでなく、
その方が“自分の力”で整っていけるように寄り添うことを大切にしています。

気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。

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