― 鍼灸師・医薬品登録販売者、そして「使ってきた一人」として ―
はじめに
不妊治療中の方から、
「漢方って実際どうなんですか?」
と聞かれることがよくあります。
私は鍼灸師・医薬品登録販売者という立場でもありますが、
一人の生活者として、漢方を日常的に取り入れてきた側でもあります。
私自身の漢方との付き合い方
私は、複数の漢方薬を常備していて、
その日の体調に合わせて飲み分けています。
たとえば、
- 補中益気湯
- 葛根湯
- 五苓散
これらは比較的使いやすく、
「今日は気疲れしそうだな」
「肩がこるな」
「湿気がたまってきたな」
そんなときに助けられてきました。
漢方をうまく使えるようになると、
- 大きく体調を崩しにくくなる
- 回復が早くなる
- 気持ちの波が穏やかになる
そういった感覚があります。
私にとって漢方の良さは、
「治す」よりも
“健やかな状態を保ちやすくなる”ところにあります。
不妊治療と漢方の関係
不妊治療においても、漢方はうまく使えば心強い存在になります。
ただし大切なのは、
- 体質
- 年齢
- 治療の段階
- 今、何を優先したいか
これらを無視して
「有名だから」「良さそうだから」
と使ってしまうと、かえって遠回りになることもあります。
漢方は万能薬ではありません。
だからこそ、今の体に合っているかを見極めることが大切だと感じています。
鍼灸師・登録販売者として伝えたいこと
漢方は自然のものですが、医薬品です。
- 合う・合わないがある
- 体調や時期で使い分けが必要
- 長く続けるべきでないものもある
不妊治療中は特に、
鍼灸・生活・治療内容と合わせて
「今は何を整える時期なのか」を一緒に考える視点が大切です。
不妊治療でよく使われる漢方薬
① 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
よく使われるタイプ
- 冷えやすい
- 貧血傾向
- むくみやすい
- 疲れやすい
血を補い、水分代謝を整える漢方で、
女性向け漢方の代表格です。
▶ ただし
「冷え=当帰芍薬散」ではありません。
痰湿が強いタイプでは、合わないこともあります。
② 加味逍遙散(かみしょうようさん)
よく使われるタイプ
- イライラしやすい
- PMSがつらい
- 不安感が強い
- 気分の波がある
ストレスや自律神経の乱れが関係するタイプに使われます。
▶ 不妊治療中の
「ホルモン治療+精神的ストレス」
この組み合わせには合う方も多いですが、
体力が落ちすぎている方には慎重に。
③ 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
よく使われるタイプ
- 生理痛が強い
- 血の巡りが悪い
- 下腹部の張り・痛み
- 子宮筋腫・内膜症がある
「血を巡らせる」漢方です。
▶ 体力がある方向けで、
妊活中でもタイミングと体質の見極めが必須です。
④ 補腎系(六味丸・八味地黄丸など)
年齢を重ねた方や、
体力・反応が落ちてきた方に使われることがあります。
▶ ただし、
若い方・PCOSタイプには慎重に。
補えばいい、というものではありません。
鍼灸師・登録販売者として伝えたいこと
✔ 漢方は「体質とタイミング」
同じ不妊治療中でも、
- 採卵前
- 移植前
- 治療の合間
- 休薬期間
で、合う漢方は変わります。
✔ 「自然のもの=安全」ではない
漢方も医薬品です。
- 合わないと体調を崩す
- 他の薬と影響し合う
- 長期連用が向かないものもある
▶ 必ず「今の体」を見て判断することが大切です。
まとめ
漢方は、不妊治療の心強い味方になることもありますが、
万能薬ではありません。
鍼灸・生活・治療内容と合わせて
「今、何を整える時期なのか」
そこを一緒に考えていくことが大切だと感じています。
