―「乳酸菌がいる=安心」ではない理由―
EMMA検査の結果を見て、
- 「ラクトバチルスは検出されています」
- 「乳酸菌はいますね」
と言われたけれど、
それが良い状態なのかどうか、よくわからなかった
という方も多いのではないでしょうか。
実は、
ラクトバチルス(乳酸菌)には種類があり、
すべてが“着床に良い”わけではありません。
今回は、EMMA検査でよく見る
5種類のラクトバチルスの特徴について、
わかりやすく解説します。
目次
ラクトバチルスは「いれば良い」わけではない
膣内・子宮内フローラにおいて重要なのは、
✔ ラクトバチルスが「どの種類か」
✔ どの菌が「主役」になっているか
です。
特に妊娠・着床との相性には、
菌の“質”が大きく関係します。
① Lactobacillus spp(エスピー・ピー)
意味
「spp」とは
複数のラクトバチルス属をまとめて検出したという表記です。
ポイント
- ラクトバチルスはいる
- ただし どの種類が主体かは不明
- 良い菌も、そうでない菌も含まれる可能性あり
👉「乳酸菌はいるけど、理想的かは判断できない状態」
② Lactobacillus crispatus(クリスパタス)
最も理想的な乳酸菌
- 強力に乳酸を産生
- 膣内pHを安定して酸性に保つ
- 病原菌・嫌気性菌をしっかり抑える
妊活との関係
- 着床率が高い
- 慢性子宮内膜炎のリスクが低い
- IVF成績が良好とされる
👉crispatus優位=理想的なフローラ
③ Lactobacillus gasseri(ガッセリ)
特徴
- 乳酸は作るが、力は中程度
- 環境変化の影響を受けやすい
評価
- 悪くはない
- crispatusと一緒にいると安定しやすい
👉「準エース」的な存在
④ Lactobacillus iners(イネルス)
注意が必要な乳酸菌
- 乳酸産生が弱い
- pHを十分に下げられない
- 病原菌と共存しやすい
妊活との関係
- 細菌性膣症(BV)
- 慢性子宮内膜炎
- 着床不全
と関連があるとされます。
👉「乳酸菌=安心」とは言えない代表的な菌
⑤ Lactobacillus jensenii(ジェンセニー)
特徴
- 乳酸産生は中等度
- crispatusほど強力ではない
評価
- 中立〜やや良好
- 単独優位だと防御力はやや不足
👉crispatusのサポート役
5種類をまとめると
| 種類 | 着床との相性 | 特徴 |
|---|---|---|
| spp | △ | 種類不明 |
| crispatus | ◎ | 最も理想 |
| gasseri | ○ | 準安定 |
| iners | △ | 注意 |
| jensenii | ○ | 補助的 |
EMMA検査で本当に見るべきポイント
「ラクトバチルスがいるか」ではなく、
✔ crispatusがいるか
✔ inersが優位になっていないか
✔ 嫌気性菌と一緒に増えていないか
ここがとても大切です。
まとめ
EMMA検査は
“数字を見る検査”ではなく、“バランスを見る検査”です。
結果を正しく理解することで、
- なぜ移植がうまくいかなかったのか
- 何を整えればよいのか
が、少しずつ見えてきます。
※補足
治療方針や投薬については、
必ず主治医の先生と相談のうえ決定してください。
