ERA検査とは?着床障害の検査まとめ(ERA・EMMA・ALICEの違い)

1. ERA検査とは?

ERA(Endometrial Receptivity Analysis)は、子宮内膜が胚を受け入れるタイミング=「着床の窓」を調べる検査です。
移植のタイミングがズレていると、どんなに良い胚でも着床が難しくなります。
ERAでは、内膜組織を採取し、約238種類の遺伝子発現を解析して「最適な移植日」を割り出すのが特徴です。


2. どんな人におすすめ?

  • 良好胚を移植しても着床しない(反復着床不成功)
  • 原因不明の不妊
  • 複数回の移植失敗歴あり
  • 良好胚が思うように得られない(凍結胚が少ない
  • 男性不妊などで凍結胚の数に限りがある

3. ERA検査の流れ

  1. ホルモン補充や自然周期で子宮内膜を準備
  2. 移植予定日に子宮内膜を採取(生検)
  3. 遺伝子解析で「受容期かどうか」を判定
    • Receptive(受容期)
    • Pre-Receptive(まだ早い)
    • Post-Receptive(やや遅い)
  4. 判定結果をもとに、次回移植スケジュールを調整

4. 結果による対応

  • Receptive → 標準の移植タイミングでOK
  • Pre-Receptive1日遅らせるなど調整
  • Post-Receptive1日早めるなど調整

5. ERA以外の着床関連検査

実は、着床に影響するのは「タイミング」だけではありません。子宮内の環境も重要です。
そこで使われるのが EMMAALICE 検査です。


EMMA検査

  • 子宮内の細菌バランス(ラクトバチルス菌)を調べる検査
  • ラクトバチルスが多いほど、妊娠しやすいとされています
  • 不足している場合は、乳酸菌サプリ・抗菌治療などで改善可能

ALICE検査

  • 子宮内膜炎(慢性子宮内膜炎)の原因菌を特定する検査
  • 子宮内膜炎は着床不全の隠れた原因になることがあります
  • 検査で菌が見つかれば、抗生剤で治療可能

6. 3つの検査の違いを表で整理

検査名調べる内容主な目的
ERA子宮内膜の着床時期(遺伝子発現)移植タイミングの最適化
EMMA子宮内フローラ(菌のバランス)妊娠しやすい環境づくり
ALICE慢性子宮内膜炎の原因菌炎症を治療し着床率を改善

7. 費用と注意点

  • ERA:約8〜12万円
  • EMMA:約5〜7万円
  • ALICE:約2〜3万円
    ※クリニックによって異なります。
    ※結果が出るまで1周期必要なので、移植は翌周期以降になります。

8.民間の医療保険で全額戻るケースが多い

先進医療の対象の検査です。
そのため、保険診療(不妊治療の保険)と併用できる自由診療として位置づけられています。

治療自体は実費となりますが、
民間の医療保険で「先進医療特約」をつけている場合、検査費用が給付対象になることが多いです。

つまりtrio検査の検査費用が全額戻るケースが多いです。
一度加入している保険会社に電話などで確認しておくと良いですね。


8. まとめ

ERAは「タイミング」、EMMAとALICEは「環境」を調べる検査です。
移植を繰り返しても妊娠しない場合、胚の質だけでなく、子宮側の要因を確認することが大切です。

今、どんな検査が必要で優先的に受けるべきか悩んだときは、お気軽にご相談にお越しください。保険制度の導入で移植回数が限られるようになり、より戦略的な治療の進め方が求められる今、ひとりで考えず、病院や鍼灸院で相談することも大切なことだと感じています。

お気軽にご相談ください。

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